昔の暮らしを知ってみよう

歴史民俗資料館で展示している「ワラ細工」などを中心にご紹介します。

ワラ細工について

みなさんは「ワラ細工」を見たことがありますか?
まず、「ワラ」とは、何だと思いますか?

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「ワラ」とは、おコメをイネからとったあとのクキのことです。1週間から10日ほどの間、刈ったイネを束にして干したあと、脱穀するのです。

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束にして干すことを「はざかけ」といいます。下の写真は、昔の子どもたちが、はざかけをしているところです。下にいる子が、はしごにのぼって上にいる子に、投げてわたしたそうです。

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ワラを使って作った生活用品が「ワラ細工」です。はきもの(ゾウリなど)、かぶりもの(ミノというかぶりもの)、しきもの(ゴザなど。カーペットみたいなもの)、タワラ(おコメをいれるもの)、ムシロ(木などくるんだりするもの)など、ふだんの生活で使うもの、さまざまです。

いま、ワラはイネ刈りのときに、細かくきざんで、田んぼにまいてしまうのだそうです。ワラが、いらなくなったからです。

どうしてワラがいらなくなったかというと、ポリエスチルやビニールといった、便利で手間のかからない品物が出てきたからです。ですので、今では、ワラ細工を使うことが、ほとんどなくなってしまいました。ワラ細工をふだんから使っていたのは、みなさんのおじいさんやおばあさん、そのおとうさんやおかあさんが、子どものころのことになります。

イネのワラだけではなくて、「スゲ」や「ヒロロ」という草もつかっていました。ワラは水をすいますが、スゲやヒロロは水をすわないので、雨や雪の日に使うとよかったそうです。冬に外で仕事をするとき、下の写真のようなミノを着ました。ワラでつくった「ワラミノ」も雪がふらないところでは使いましたが、下の写真は「スゲミノ」です。

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いまはビニールのレインコートなどを着ますが、動いて身体が熱くなると、汗をかいてむれてしまいます。ミノならむれることがなくて、着心地がいいそうです。ただ、草なので、うごいていると、少しずつ、ちぎれてしまうみたいですね。ミノはつくるのがむずかしくて、ひとつつくるのに4日くらいかかるそうです。

スゲは、ワラより弱いのですが、近くに生えている草をとっただけなので、手に入りやすかったそうです。ワラは、牛に食べさせたりもしたので、昔は貴重だったということでした。