昔の暮らしを知ってみよう

歴史民俗資料館で展示している「ワラ細工」などを中心にご紹介します。

赤ちゃんを入れる「つぐら」

年配の方は「なつかしい」「私も入っていた」と言い、知らない人は「ええ~、ほんと?」と言うのが、赤ちゃんを入れる「つぐら」です。昔は、首のすわった乳児を、「つぐら」というカゴの中に入れていました。

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赤ちゃんだけ家に残して外仕事をするときなど、ちょっと大きくなっても、つぐらに入れたんだそうです。

昔は使っていたと言うおじいさんに、「赤ちゃん、嫌がったりしませんでしたか?」と聞いてみたら、「嫌がったって、入れたさ。仕事になんねえもん」とのことでした。

入れ方は、こんなかんじです。まず、ワラのシビ(小さいケバ。やわらかい)を敷き詰めます。

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次に、赤ちゃんをぐるぐる巻きに包んで、入れます。

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赤ちゃんの周りの空間に布を敷き詰めます。

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差しこんでるかんじですね…。「身動きとれなくて、かわいそうですね」と言うと、「今だったら、虐待だなんて、言われるかもなあ」と、おじいさん。「でも、外仕事はたくさんあるし、真夏なんかは背負ったら暑くて、もっとかわいそうでしょう。家の中だって、イロリがあったり、土間に落ちたりしたら危ない。かわいそうでも、こうしておくしかなかったんだよなあ」と言いました。